吃音 伝えられないもどかしさ
著者|近藤雄生
出版|新潮社
ジャンル|吃音 ノンフィクション
目次
本の概要
100人に1人の割合で「吃音(きつおん)」の人がいます。
しゃべろうと思っても喉の奥が締め付けられるようで普通に声が出ない。
そのため、電話に出るのが怖い、レストランでの注文、買い物など、日常のあらゆる場面で話すことに恐怖を感じてしまう。
著者はこの「吃音」について吃音の本人、家族、支援団体など様々な人に取材をすることにより、その吃音をもつ人が抱える悩みや気持ち、吃音を抱えて生活する障害、そして彼らがどのように吃音と向き合ってきたかをありのままに綴っています。
著者自身も「吃音」であるため、リアルな「吃音」の実態がここにあります。
吃音の方、吃音のお子さんをお持ちのご両親、学校の先生、会社企業の経営者や教育担当さらに人事の方、お医者さんに是非とも読んで頂きたい一冊。
ここがオススメ
■ ノンフィクションであること
重度の吃音症状を持つ高橋啓太さんの実体験を中心にありのままが綴られています。
特に本書の冒頭、高橋さんの自殺未遂は衝撃的です。
高橋さんはその後、NHKのテレビの出演、吃音の矯正訓練、大勢の前でのスピーチなど、吃音と向き合い前向きな取り組みをしています。
■ 吃音について明るい話も
吃音を克服するための方法に奔走している先生方も紹介されています。
中にはほとんど吃らなくなったという話も!
「吃音ドクター」とも呼ばれている菊池良和さんも登場します。
■ 新人看護師の死
北海道の某病院に就職してわずか4ヶ月後に自殺をした「吃音」の看護師について語られています。
彼の自殺は病院での新人教育が原因ではないかといわれているのですが・・・
事実を認めない当時の病院の隠蔽体質についてひどく憤りが感じられる話です。
■ 最後の解説
本書の解説は『きよしこ』の作品で吃音の少年を描いた、自身も「吃音」の重松清さん。
吃音の当事者による解説も必読ポイントです。
こちらから購入することができます。
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