ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー The Real British Secondary School Days

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
The Real British Secondary School Days

著者|ブレイディみかこ
出版|新潮社
ジャンル|ノンフィクション 小説 地理

あらすじ

息子のノートの右上の隅に見つけた落書き。

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー。』

イエロー、ホワイトは肌の色を表す。
日本人の著者とアイルランド人の配偶者の子として生まれた彼は、中学校の入学において肌の色についていろいろと考えてしまうことがあった。

息子はブルーを『怒り』の感情を意味すると書いたら、先生に『悲しみ』『気持ちがふさぎ込んでいる』と添削されていた。

その彼が書いた『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』とは
どちらの意味でブルーと言ったのか・・・

このようなとこを書きたくなる経験をしてしまったのか・・・


息子が元底辺中学と呼ばれている学校へ通うこととなった事で見えてくる様々な社会的な問題。
英国の分断、宗教、教育格差、経済格差、人種差別など・・・
多様な人種が集まる社会ゆえに、このような問題を抱えていることがわかります。

英国で起こっている社会問題だけでなく、日本やアフリカの抱えている問題も見えてきます。
世界に目を向けるにあたり、とても勉強になる本です。

ここがオススメ

■ エンパシーとは何か?

学校の試験の問題で出た『エンパシーとは何か』という問題で、息子が回答を親に話すシーンです。

「自分で誰かの靴を履いてみること」と回答したと息子。
エンパシーは他人の立場に立ってみるという意味。

中学生とは思えぬ考えと表現力に脱帽です。


息子の回答は「すこぶる的確な表現だ」と母親である著者も絶賛する。


■ リアルなストーリーであること

様々な問題や悩みに対して親子で乗り越えていくリアルなストーリー。

全てノンフィクションだからこそ、読み手がどのように受け止め、どのように考え、どのように行動するのか・・・
それらが読み手自身にも委ねられるところがポイント!

とても考えさせられ、勉強になる本です。


こちらから購入することができます。

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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2 The Real British Secondary School Days

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