スロウハイツの神様（下）

スロウハイツの神様（下）

著者｜辻村深月
出版｜講談社文庫

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あらすじ

雨で宛名が滲んで読めなくなってしまったＡ４サイズの茶封筒。
差出人はスロウハイツの住人の黒木が勤める代々社。

その封筒はバイク便から赤羽環が受け取った。
環は中を覗き見る。

そこに入っていたものとは･･･
環は愕然としそして、その封筒を誰の目にも触れるこのなく自室へと持ち去った。

スロウハイツの人間関係にも少しずつ動きが見られる。

恋愛関係、新たな仕事仲間･･･

人との関わり合いは、お互いを励まし合ったり、意見を交換したりとプラスに働くものもあれば、そうでない関係もある。
その関係のせいで、夢を諦めてしまう場合もある。
嘘をつかれたり、ダマされることもある。

そんな中にあっても、スロウハイツの住人は互いを尊重し、助け合いながら夢を追い求める。

下巻は、スロウハイツに届いた謎の封筒の中身が明らかになる。

果たして何が入っていたのか！？
その封筒の中身にスロウハイツの住人は何を思うのか？

徐々に動き始めるスロウハイツの時間。
そして明らかになる赤羽環の過去、さらに十年前の事件から千代田公輝が復活するに至った本当の理由。

全ての伏線が回収される下巻、上巻を読んだ方は必読！

ここがオススメ

■ 赤羽環の過去

スロウハイツのオーナーである赤羽環。
環は自身の母親の死に目に会えていない。

そもそも、母親を憎んでさえいた。
母親を憎んでしまうほどの原因、そして環と妹の桃花が共に歩んできた壮絶な人生が明らかに！

この時この姉妹が心の拠り所としていたものに感動を覚える。

■ 十年前の事件のその後

十年前の事件

作家チヨダ・コーキのファンが起こした自殺志願者を募った殺人ゲーム。
この事件が原因となりチヨダ・コーキは小説を書くのを辞めた。

しかし今、チヨダ・コーキが小説家として再び執筆を始めたのには「コーキの天使ちゃん」と呼ばれる存在があったから。

上巻では語られなかった「コーキの天使ちゃん」の真実のエピソードが明らかに！
この復活のエピソードは涙なしには読めません。

■ チヨダ・コーキのデビュー作

チヨダ・コーキのデビュー作のタイトルにちょっとした著者の遊び心が？！

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