汝、星のごとく
著者|凪良ゆう
出版|講談社
オススメしたい人
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目次
あらすじ
井上暁海(いのうえあきみ)
お父さんには恋人がいる。
暁海もお母さんも知っている。
愛媛県の瀬戸内海にある小さな島に暮らしているため、島中の人も知っている。
お父さんの帰りが、週の半分しか帰ってこなくなり、そして今はもう一度も帰ってこない。
それでもお父さんは帰ってくると信じるお母さんは徐々に心を壊していく。
青埜櫂(あおのかい)
京都から母親と瀬戸内海の小さな島に越してきた。
母親は島で唯一のスナックをやっており、時折、スナックの客と仲良くなる。
一度たりとも男なしでは生きられない女で、櫂が物心ついた時から男の出入りが激しかった。
そして男にのめり込むと、息子のことも目に入らなくなる。
暁と櫂は同じ高校に通っている。
親に枷(かせ)をつけられ、孤独を感じていた二人は、似たような境遇に互いに惹かれ合う。
高校卒業後は二人で島を出ることを願うが、親のことを思うと身動きが取れずにいた。
ここがオススメ
■ 生きることの自由さと不自由さ
親により自由を制限された、暁海と櫂。
この二人に自由を教えてくれるのは意外な人物・・・
「自分の人生を生きることを、他の誰かに許されたいの?」
「いざってときは誰に罵られようが切り捨てる、もしくは誰に恨まれようが手に入れる。そういう覚悟がないと、人生はどんどん複雑になっていくのよ」
そして「正しさ」というものに疑問が浮かんでくる。
生きることの自由さと不自由さに葛藤しながら、二人は成長していく。
■ 交互に展開していく物語
暁海と櫂それぞれの視点で描かれていく。
一つの物語が二人の視点で描かれていくため、一つの場面もよりリアルな男女それぞれの気持ちとして伝わってくる。
似たような境遇から惹かれ合う同じ気持ちの二人。
日々の忙しさや親に対する不満から、心の余裕をなくした二人のすれ違い、そして必死に生きながら成長していく二人。
互いを思い、自由に生きることを望む二人の気持ちは同じことを望んでいる。
だけど・・・こんなにも切ない物語になってしまう。
■ プロローグとエピローグ
プロローグとエピローグはそれぞれ誰の視点のものか?!読み終えた後、もう一度プロローグを読んでみてほしい。
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