フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理

著者|サイモン・シン(Simon Singh)
訳 |青木薫
出版|新潮文庫
ジャンル|人文・社会 数学

オススメしたい人
≫ 数学を愛してやまない人
≫ 数学の歴史を知りたい

本の概要

フェルマーという数学者が、論文の最後に謎の言葉を残した。それは300年以上にも渡り数学界を混乱の渦に陥れるものだった。
「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」


X^n +Y^n = Z^n

この方程式はnが2より大きい場合には整数解をもたない。


シンプルで一見簡単そうに思えるこの問題が以後300年以上ものあいだ誰も証明する事が出来なかった。
そして1995年5月ついに!
この難問がアンドリュー・ワイルズにより完全に証明されたのだ!!


証明の発表は、少し遡る。
1993年アメリカのケンブリッジにて世紀の講演が行われた。ワイルズによる『フェルマーの最終定理』の証明である。

3日間にに渡る講演で、1日目は証明をするにあたり必要な知識の講演。
2日目はフェルマーの最終定理の証明の核となる『谷山=志村予想』をほのめかす計算をして聴衆をじらす。
そして3日目の講演でついにフェルマーの最終定理の証明をする。


証明の最後にワイルズが言った一言。

「ここで終わりにしたいと思います」

喝采がわき起こり、いつまでも止みませんでした。


しかし、最終的に完全に証明されたのは2年半も後になる。残念ながら、この講演にて発表した証明に一つ欠点が見つかったのだ。
ここから完全な証明に至るまでのワイルズの焦りや不安、各メディアからの煽り等、挫折しそうになる場面も書かれています。

天才ワイルズがどのようにしてこの難問に取り組んだか、興味のある方は是非読んでみて下さい。

ここがオススメ

■ フェルマーの最終定理に関わった偉人たち

300年もの間、証明出来なかったこの問題を解くにあたり、多くの数学者達が挑みそして敗れていった。しかし、ただ敗れていっただけではなく数学界を進展させる多くの功績も残された。


まずは、時代がフェルマーの最終定理よりずっと前の偉人で、ピュタゴラスがあげられる。
三平方の定理(ピュタゴラスの定理)で有名な数学者。
フェルマーの最終定理が、三平方の定理を彷彿させるものなので、ピュタゴラスについてもページを割いて説明してあります。


オイラーはフェルマーの証明を拡張するために“虚数”という風変わりな概念を導入、更には素数の性質から証明を前進させる事ができた。


日本人も大きな功績を上げた。
谷山豊と志村五郎はお互いのアイデアを交換し合って画期的な理論を導き出す。
『谷山=志村予想』は楕円方程式とモジュラー形式に関する理論で、これが証明できれば『フェルマーの最終定理』も論理的に証明ができる事がわかった。


他にも多くの数学者が紹介してあります。
300年の長い時間なので、数学の歴史も学べます。


■ まだまだ残る未解決問題

数学界最大の超難問が解かれてしまい、もう挑戦するものがなくなったように感じるかもしれませんが、数学界にはまだまだ多くの『未解決の大問題』があります。

例えば『完全数』について
完全数とは、その数自信を除いた約数の和がその数自信と同じになる数字のこと。
この完全数ですが、既に発見されたものは全て偶数という共通点があります。

なので「すべての完全数は偶数か?」という謎
そして「完全数は無限に存在するのか?」といった謎です。


他にも、オレンジの山を効率的に積み上げるにはどうすればいいかなどです。


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