むかしむかしあるところに、死体がありました。(2020年本屋大賞ノミネート作品!)

むかしむかしあるところに、死体がありました。

著者|青柳碧人
出版|双葉文庫

オススメしたい人
≫ ミステリーが好き
≫ 死体シリーズが好き

あらすじ

春姫様が存生祀り(ぞんじょうまつり)の参詣から帰る途中のことでした。
目の前に赤鬼が立っていました。

「これはなんと美味そうな女子じゃ。どれ、おいらが頭からかぶりついてやろう」

その時、春姫様の懐から一寸法師が飛び出しました。

「鬼よ、この一寸法師が相手じゃ」

しかし、鬼は一寸法師をつまみ上げ、口の中に放り込み、ごっくんと飲んでしまいました。
すると一寸法師は鬼の腹の中から刀を突き立て、なんと鬼を成敗してしまいました。
鬼は降参し、打ち出の小槌を置いていきました。

ちょうどその頃・・・

川のほとりにある下栗村にて、漬物売りの冬吉が首を縄で縛られ殺害されるという事件が起きていました。
検非違使(けびいし)がこの事件を検(あらた)めていくうちに、ある人物が下手人の候補として浮上してきます。

それは・・・!?

しかし、その人物には完璧な不在証明があるのです。

この事件の真相やいかに!?


お馴染みの昔ばなしがミステリになっています。
どのお話もミステリにすると、一癖も二癖もあって面白いです。

他には・・・
『花咲か爺さん』
『つるの恩返し』
『浦島太郎』
『ももたろう』

それぞれが独立した短編のお話ですが、どれも緻密に作り上げられた本格ミステリを楽しむことができます。

ここがオススメ

■ どのお話もオススメ!

・花咲か爺さんの『花咲か死者伝言』は衝撃的な結末!

・つるの恩返しの『つるの倒叙がえし』は頭がこんがらがるようなすごい仕掛け!

・浦島太郎の『密室龍宮城』では壮大な密室殺人が!

・ももたろうの『絶海の鬼ヶ島』はあの有名なミステリを彷彿させる作りに!


■ 文庫版の解説

文庫版では解説を今村昌弘さんがされています。
今村さんといえば『屍人荘の殺人』など「あり得ないものが登場する」SF的な作品が有名です。
「あり得ないものが登場する」繋がりで、本書の解説をされているところがいいですね。


こちらから購入することができます。

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