僕は推理ものの本が好きで、っと言ってもマンガが中心ですが、『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』を読みながら育ちました。
今回紹介する『ミステリと言う勿れ』も推理もののマンガです。
ただ、金田一やコナンとは異なり事件の都度、死体がたくさん転がり出るようなことはありません。
主人公『久能整(くのうととのう)』は人並外れた記憶力を持っています。それゆえ知識量も多く、目に入ったものについて常にウンチクを語る変な大学生です。見た目もユニークでものすごい毛量のまりも頭です。一度見ると忘れないかもしれません。
最初の事件では、知り合いが何者かに殺害されたことにより、その容疑者として久能は警察の取調室に行くことに。そこでも持ち前の知識から池本巡査の夫婦喧嘩の悩みや風呂光巡査の飼い猫の悩みを解決するなど、容疑者として疑われながらも一部の警察から気に入られたりします。
この後も久能は何度も警察に呼び出され、取調室で理不尽な取調べを受けます。しかし警察官の話から矛盾点を見つけ出し、記憶力と論理的な考えを駆使し見事犯人を追い詰めることになるのです!
この本の魅力は、事件を解決していく過程で主人公の久能が話す言葉です。
たくさんありますが一部を取り上げてみます。
ゴミ捨てを手伝っていると言う男性に対して、
「ゴミ捨て・・・どこからですか」
徘徊をする祖父を持つ男性の悩みを聞いて、
「徘徊をさせてあげる方向にはいかないんだろうか」
どれも考えさせられるものばかりです。
事件を解決していく過程を楽しみつつ、こういった言葉について考えることもできる自己啓発本に近いのもこの本の魅力です。
個人的に気に入っている話
僕が個人的に気に入っているのは2巻の新幹線で出会った女性との話です。
女性は父から届いた手紙を読んでいました。その手紙には
「愛する娘へ
紘子が京都に来てくれる日を心待ちにしているよ
本当に会いたかった一緒に歩ける日を楽しみにしています」
この手紙にはいくつかのイラストが描かれています。
「ウサギ」「指輪」「洋梨」「クラゲ」「歯ブラシ」・・・
久能はその手紙を横目で見て「京都にはくるな」と解読・・・
・・・この手紙の真の意図とは!?
この新幹線の暗号解読も面白いのですが、この話での久能の言葉が、また僕なりに好きでした。これはネタバレになるのでここでの紹介は割愛させていただきます。