死にがいを求めて生きているの
著者|朝井リョウ
出版|中公文庫
ジャンル|小説 螺旋プロジェクト
オススメしたい人
≫ 考えさせられる本が好き
≫ 人間ドラマが好き
≫ 螺旋プロジェクト作品を読んでみたい
≫ 螺旋プロジェクト前作読破したい
目次
あらすじ
病院の305号室
そこにはチューブをつけて寝ている男性がいる。
転倒したときに頭の打ちどころが悪く、今は植物状態が続いている。
その彼の名前は南水智也
頻繁に智也の見舞いに来る一人の男性がいる。
智也とは昔からの友達だというのに、その時だけは助けてあげられなかったと後悔している。
智也が目を覚ますときには、側にいてあげられるようにしているのだという。
その彼の名前は堀北雄介
この物語は6人の目線から描かれている。
小学校、中学校・・・と時の経過に合わせて、それぞれの人物の物語が綴られていく。
そして、その話の中で徐々に智也と雄介の関係が明らかになっていく。
しかしそれは、友情という言葉だけでは表現できない、表現する言葉がないほどに歪な関係だった。
植物状態の智也と献身的に見舞いにくる雄介の間に何があったのか?
〈螺旋プロジェクト〉
8人の作家が「共通のルール」を決めて原始から未来までの歴史物語を書いた。
ルール1
「海族」VS.「山族」の対立を描く
ルール2
共通キャラクターを登場させる
ルール3
共通シーンや象徴モチーフを出す
ここがオススメ
■ 螺旋プロジェクト
平成の時代ということもあり対立するものもない平穏なイメージのある時代。
しかし、その中にも見え隠れする『海族』と『山族』の話。
そして、智也の家の本棚から落ちてきたのは一冊の絵本。
この絵本に描かれているある動物。
螺旋プロジェクトを通して、異なる物語の中の、異なる時代のものが登場する面白さが、小説を読む楽しさを倍増しています。
■ 平成という舞台
平成が舞台となっている。
原始の時代より『海族』『山族』の間には争いごとが絶えなかったが、平成の時代は字の如く平で争いのない時代となっており、海山伝説は都市伝説とさえ言われている。
しかしそんな中にあっても『海族』『山族』と呼ばれる人々は存在する。
果たして本当に争いや対立はないのだろうか・・・
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