アルジャーノンに花束を
著者|ダニエル・キイス(Daniel Keyes)
訳 |小尾芙佐
出版|早川書房
ジャンル|小説
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目次
あらすじ
チャーリイ・ゴードンは32歳になっても幼児並みの知能しか持たない。
読み書きもうまくできない、小さい頃の記憶もあまりない。
今は家族の元を離れ、ビークマン大学にて脳研究の被験者となっている。
ある日、チャーリイは知能を向上させるための手術を受けることとなり、そして・・・手術は成功する。
動物実験の段階でネズミのアルジャーノンもチャーリイと同じ手術を受けていたため、チャーリイはアルジャーノンをライバルとし、迷路ゲームで互いに競争しながら知能を向上させてゆく。
チャーリイは頭が良くなったら、皆んな喜んでくれて、友達もできると思っていた。
しかし・・・
チャーリイの知能の向上は目覚ましく、語学、数学、歴史などのあらゆる知識をスポンジように吸収してゆく。
やがて、チャーリイは天才へと変貌する。
すると、周りはチャーリイに対して引け目を感じるようになってしまう。
チャーリイに待っていたものは、友達ではなく孤独だった。
ここがオススメ
■ チャーリイ自身が物語を語っている。
『経過報告』として、チャーリイ自身が日記のように、日々の自分に起きたこと、思ったこと、感じたことを綴っている。
そのため、手術を受ける前の文章は、ほとんどが「ひらがな」で「読点 “、”」もなく漢字は間違っている。
正直、非常に読みづらい。
(日本語版なので、このような表現となっている)
それが、手術後には徐々に文章が変わっていく。
チャーリイの知能が向上しているのが、視覚的にもわかるのが面白いところ。
また、天才になった頃のチャーリイの文章は専門用語が多く、こちらはこちらで読みづらい。それもまた、チャーリイがどのような人間に変貌したのかがよく表現されています。
■ チャーリイは恋をするが
チャーリーは知能が向上したことにより、異性を意識できるようになります。
しかし、子供の頃の記憶がトラウマとなり・・・
ここで描かれるチャーリイの気持ち、愛や憎しみ、心の葛藤がリアルに表現されています。
■ アルジャーノンに花束を
アルジャーノンはチャーリイにとって同じ手術を受けた仲間、そしてライバルです。
なので、アルジャーノンがチャーリイと対になっているかのようにも捉えられます。
チャーリイだけが分かる、アルジャーノンへの想い。
このタイトルの意味は、ぜひ最後まで読んでみてください。
こちらから購入することができます。
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