シーソーモンスター(8作家奇跡の共演 螺旋プロジェクト「みんなで一斉に書きませんか?」)

シーソーモンスター

著者|伊坂幸太郎
出版|中公文庫
ジャンル|小説 螺旋プロジェクト

オススメしたい人
≫ 繋がりのある話が好き
≫ ハラハラする作品が好き

あらすじ

この本は昭和の後半を舞台とした《シーソーモンスター》と
近未来を舞台とした《スピンモンスター》の二つの中編小説が収録されています。


≪シーソーモンスター≫

北山直人は父親が亡くなった後、母親を一人にするのが心配だったため、妻と共に母親と同居することにした。
妻の宮子も、お義母さんを一人にするのは寂しいかもしれない、家事も分担できるので楽ができると言い、快く受け入れてくれいた。

しかし・・・
これが壮絶な嫁姑問題へと豹変していく。

宮子が義理の母と暮らす中で、少しずつあることが気になってくる。
保険の営業マンが訪れたり、
宮子のすぐ側に花瓶が落ちてきたり、
更にはお義父さんの死にも不審に思えるところが見つかったり。

もしかしたら・・・!?

ある日、郵便局員の姿でなぜか手には包丁を持つ男が家の中へと押しかけてくる。

これはただの嫁姑問題なのか!?
北山家では一体何が起きているのか!?


≪スピンモンスター≫

高速道路で車同士の衝突事故により、水戸直正と檜山景虎は共に幼い頃に両親と兄弟を亡くしていた。
更に、事故の後は双方の祖父母が裁判で揉め、互いを罵倒しあい、そして病気で亡くなっていった。
この事故がきっかけで、直正と景虎の二人は共に心に大きな傷を作ることとなった。

同じ境遇であるにも関わらず、決してお互いを受け入れることのできない関係となっていた。

その事件から十年近くが経過した時、二人は新幹線で再会する。

水戸は配達人、檜山は警察として。
水戸は人工知能『ウェレカセリ』の開発者の寺島という男からの配達依頼を受けたことから、ある事件に巻き込まれてしまう。

そして、なぜか警察から追われる身に!?


≪螺旋プロジェクト≫

8人の作家が「共通のルール」を決めて原始から未来までの歴史物語を書いた。

ルール1
「海族」VS.「山族」の対立を描く

ルール2
共通キャラクターを登場させる

ルール3
共通シーンや象徴モチーフを出す

ここがオススメ

■ 二つの物語と螺旋プロジェクト

この本には二つの物語が収録されています。

それぞれの話が別の時代であるにも関わらず、あるところで繋がっています。
そのため、この一冊でも螺旋プロジェクトの繋がりを十分に楽しむことができます。

更には、螺旋プロジェクト特有の相対する関係や、共通のモチーフも強調されて描かれています。
スピンモンスターに登場する人工知能『ウェレカセリ』は螺旋プロジェクトの別の作品に登場するある人物の名前となっています。


■ 宮子の秘密

宮子は以前勤めていた仕事の関係で、人の顔色を読むのが得意で、更には体力運動神経にも自信があります。
そのため、お義母さんとの同居については大丈夫だろうと自負していたのですが・・・
嫁姑問題というのはそれを更に凌駕するものだったようです。

さて、宮子は以前どこに勤めていたのでしょうか?
これを知ると、物語のイメージがガラリと変わります。


■ 移動手段

スピンモンスターの話の区切りごとに、冒頭に車や新幹線などの移動手段のマークが挿入されているのが特徴的です!

水戸サイドの場面では、車や自転車などのマークがついていて乗り物を変えながら逃亡している場面がイメージできます。
警察サイドの場面ではパトカーのマークがついているので、警察も負けじと追っているという印象を持つことができます。


こちらから購入することができます。

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