黒牢城
著者 / 米澤穂信
出版 / 角川書店
ジャンル / ミステリ、歴史小説
ページ数 /445ページ程度
オススメしたい人
≫ ミステリが好き
≫ 歴史が好き
目次
あらすじ
『進めば極楽、退かば地獄 ・・・。』
苦から逃げたくば、いざ進め、戦って勝てば極楽往生疑いなし。
進めば極楽、退かば地獄ぞと、声は際限もなく繰り返す。
背景は本能寺の変より四年前・・・
有岡城の最奥にそびえる天守から往来を見下ろす男がいる。
有岡城の主にして、織田家から摂津一職支配を許された一世の雄、荒木摂津守村重である。
その日、米、塩、味噌、薪炭、鉛、玉薬などの一切が有岡城へと運ばれていた。
荒木村重は織田家に叛旗したのだ。
この有岡城は間もなく、幾万の織田勢に囲まれることになる。籠城のための備えを整えていた。
有岡城へ織田方と「申す」一人の使者がやってくる。
名前は小寺官兵衛、もとの名を黒田官兵衛という。
官兵衛は謀叛をした荒木村重に一言を言うために有岡城へ来たという。
その一言とは・・・
「この戦、勝てませぬぞ」
村重の掛け声で、官兵衛は鎧武者に囲まれて捕えられてしまう。
死を覚悟して来た官兵衛であったが、村重は官兵衛を殺さず有岡城の地下の土牢に入れるのだった。
そして・・・有岡城は籠城する。
籠城の最中、有岡城では何とも不思議な怪事件が起こる。
櫓に閉じ込めていた者が何者かに殺されてしまう。
そこは何人も入り込めない密室だったはず。
誰がどのようにして殺したというのか!?
村重は考えるが謎は解明できない。
そして、村重は土牢の囚人、織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くように求める・・・
「おぬしならばこの曲事を解ける」
ここがオススメ
■ 歴史とミステリのコラボ
普通のミステリでは味わえない話もある。
戦でとった兜首。
しかし、首実検を済ませたはずの首の面相がなぜか変じている。
更には、大将の首がどれかもわからないという始末。
日本の歴史ならではのミステリが楽しめる!
■ 日本の景色
籠城する有岡城。
その間、時は流れ季節が移り変わっていく。
怪奇な事件や戦がある中でも、美しくも厳しい日本の四季を楽しむことができる。
この時代を生きる人たちの生活や習慣、思想も垣間見ることもできる。
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